ビデオで映画『
ニコラスの贈りもの (Nicholas's Gift)』を観ました。こちらも先日
100円均一ショップで購入したビデオです
私の『ニコラスの贈りもの (Nicholas's Gift)』の評価は
★★★☆(3.5)
1994年に実際に起きた出来事を映画化した作品でしっとりとした良質の映画だと思います。強盗、脳死、臓器移植とシリアスな内容を扱っているので気軽(気楽)に楽しくとはいきませんが、比較的淡々とした少し距離を置いた位置から眺めるような客観性のある創りになっているので、登場人物達の思慮深く論理的な言動も手伝って、とても見やすい映画に仕上がっていると思います。不用意に感動を煽る造りでは無いので、大きな感動の波に呑まれるような感じではありませんが、ゆっくりジワジワと、しっとりとした感動に浸されていくような感じがしました。実話だからこそ、難しい内容だからこそ、客観性を残し意識して淡々と描いたのだろうと思いました。それを評価する反面、家族が決意するまでの想いや葛藤をもっと細かく、もうちょい劇的に描いて欲しかったなという気持ちもあります。
マギー(ジェイミー・リー・カーティス)に借りたフィルムをイタリアのジャーナリストがきちんと現像して返すシーンがとても好きです。私のツボにはまりました。家族が滞在していたホテルの滞在費が既に支払われていたり、政府がニコラス(ジーン・ウェクスラー)に勲章を贈るシーンも印象に残っています。裁判のシーンでマギーが「顔は見ていない」と証言するシーンもグッと来ました。とてもアメリカらしいなと思いました。又、イタリアの法廷も(?)ああいう衣装(?)なんだなぁ
と思いました。一つ疑問だったのは、何故イギリス大使館の人が駆けつけていたのかです。この家族ってアメリカ人だったんじゃないのかしら???
脳死状態で未だ体温のある家族の死を受け入れ、生命維持装置を外したり臓器を摘出する決断を下す事は並大抵の事ではないと思います。この映画のグリーン夫妻がアメリカ人だったからという背景はかなり大きいとは思いますが、その想いと決断に強く感動しました。脳死に対する考えは人それぞれです。これは一概に片付けられる問題ではありませんし、片付ける問題でもありません。大切な事は、各々の意思がしっかりと間違いなく尊重される、きちんとした仕組みを確立する事だと思います。最近、ようやく日本でも脳死下の臓器移植に対する理解が広まってきました。しかしながら、現在でも15歳未満のドナーからの移植は認められておらず、この映画にもありましたが移植臓器のサイズなどの問題から移植の必要な日本の子供の患者さんは海外に渡航して臓器移植を受けるしかない状況が続いています。クローン技術による臓器開発などもそうですが、より選択肢が広がる事を祈っています。
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7歳のニコラス、4歳のエレノアの2人の子供とともに、イタリアで休暇を過ごしていたグリーン夫妻。だが、ニコラスがハイウェイで強盗に頭を打たれ、脳死を宣告される。(Amazon.co.jp商品説明より)
出演: ジェイミー・リー・カーティス, アラン・ベイツ, ハリー・ケイト・エイセンバーグ, ジーン・ウェクスラー, イザベラ・フェラーリ
監督: ロバート・マーコウィッツ
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